7 キャップと仲間達
「船に直撃しました! 操作系がやられました」
クルーの声が響き渡る。分かってる。この船は落ちる。窓の向こうに父上が見えた。大事な事、言えずじまいだったなあ。隣にいるゲコが笑って俺の肩を掴んだ。フロッグも隣で微笑む。ピヨンは俺の耳元で囁く。
「最後まで一緒でヤンス」
俺は頷く。そして父上に敬礼をする。
「ありがとう父上。どうぞお元気で」
俺達は敬礼を解くと肩を組み合った。
「さあ、あの頃と同じだ。覚えているか? 俺達、落ちこぼれだったよな。誰かがへこんだ時はこうして肩組んで、愚痴を言い合ってさ、それで最後には笑い合って…… そうやってここまでやってきた」
「ああ、そうだ! 最後も一緒なんて最高じゃねえか!」
「この人生悪くなかったですよ」
「また生まれ変わっても遊ぶでヤンス」
俺達は笑い合った。
「よし、もう思い残すことはない。俺達は風になる。星を越え、宇宙も越えて、大切な人達へ吹く風になる。やり切ったって伝えてやろう。ありがとうって伝えてやろう。どんなに遠くても、いつまでもいつまでもみんな一緒だ!」
「おう!」
遠くに故郷の水の星が割れてゆくのが見えた。それでも。きっと大丈夫。父上、また会いましょう。愛しています、ずっと。俺達は光に包まれた。
